しまうまのおたく blog

ヤングキング連載 小幡文生 著 漫画シマウマ の感想を書きます。ネタバレあります。

シマウマ完結!!!!!

 

2020225日発売のヤングキング6号にて2010年連載開始から約10年の長期連載が完結致しました。

小幡先生お疲れ様でした!!素敵な物語をありがとうございました!!!

 普段ブログでは本編の細かい感想を書いてましたが、今日は完結した今の気持ちをそのまま書きとめておこうと思います。

 単行本未掲載分のネタバレもありますのでご注意ください。

オチの話もしますので最終回まで読み終わってから読む事おすすめします。

最終巻の発売は427日です!!!

でも本誌買ってほしい!!シマウマセンターカラー最終話と小幡先生のインタビューと担当編集者のコメントも載ってるよ!!!買ってね!?!?!?

 

YOUNG KING(ヤングキング) 2020年 3/16 号 [雑誌]

YOUNG KING(ヤングキング) 2020年 3/16 号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/02/25
  • メディア: 雑誌
 

 

 

 

最終話が掲載されるヤングキング発売日前日は緊張して眠れなくなり、翌朝早くコンビニに買いに行った。

深呼吸をしてからシマウマの最終話を噛み締めるように読み、ああ、そっか、そうだな。なるほど。そんな感想を抱いた。結末に対してすぐには感情が湧いてこなかった。

 

小幡先生のインタビューも載っていたので続けて目を通していたら、ああ終わっちゃったんだと思えて涙が溢れてきた。

寂しいのか嬉しいのか悲しいのか感動しているのか何なのか涙の理由がわからない。

シマウマ読んでると涙が溢れてくることがよくあるのだけどいつもなんで泣いてるのかわからない。

 

普段インタビューでぽやぽやしている小幡先生がインタビューに強い言葉で応えてらっしゃって、読者の皆様へと感謝の言葉を下さっていた。その中には私も入るのかな。嬉しいな。こちらこそありがとうやで。そんなふうに思った。

ヤンキー漫画が大嫌い!っと言い切る所に笑ってしまった。何かあったのかな?

ヤングキングに連載しててヤンキー漫画が嫌いなんてあんまりにも他の作家様達に喧嘩売ってるやん。誤解を招きそうな発言だけど、諸々察した。

ヤンキー漫画などに出てくる暴力を振るうキャラクターの倫理観に対してシマウマは当て付けのように思えていたし邪推で無ければアンチテーゼなのかなと感じていたので、自分の感じていたことは間違いでは無かったと確信した。

 

ヤングキング編集長で現在ヤングキングbullの編集長、シマウマ初期からの担当編集者のTさんのお力も大きかったようで、素敵な漫画を生み出してくれて本当にありがとうと思った。

後半引き継いでくれたMさんもヤングキングの編集者コメントにシマウマへの想い寄せてて、良いなと思った。

当たり前のことなのかもしれないけれど、好きな漫画が大切にされてるように感じる担当編集者様の対応がとても好きだった。ありがとう。

 

先生にも編集者様にも素敵な漫画に出会わせて下さってありがとう。

感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

 

 

結末への感情は後からじわじわ来た。

 

いつだって最低で最高なんだ。

ドラは最後までロクでもないやつだった。

シマウマとの力の差は明白で劣勢、そこからなりふり構わず泣き落としの騙し討ちだ。そして吐き捨てた言葉は「バカかよ」これがこの漫画の主人公である!!!最低だ!!!そして最高だった!!!

内心思ってることは様々だろうが現実の行動と言動はあまりにも酷い。卑怯で下劣でクズを全力で突き進む。大好きだ。

 

 

私はアカが大好きだ。だからどうしても贔屓目にみてしまう。

ドラは亡くなったアカを弔う事なく、仇は取る、ずっと見てろ、と言った。

死者にずっと見てろったって死は誰にでも等しく平等で無慈悲なモノだって事他の誰よりドラはわかってるだろう。だから、自分への決意表明でしかない。そう思ってた。

 

ドラが最後にシマウマを仕留めたソレはアカだった。

アカはその時そこに居たんだ。そしてドラ達を見守っていたんだ。

そんなふうに思った。ドラもそう思ったんじゃ無いのか?

死んでから存在を感じたキャラクターは作中アカだけだったともう。

 

アカは居た。

 

ドラとシマウマだけじゃない。ドラとアカ、アカとシマウマにもストーリーがあった。

アカはドラだけじゃなくシマウマの事だって大好きだった。慕っていた。敬愛していた。感謝していた。(シマウマとアカの出会いの最高な話が単行本未収録になっているのは何故なんだ!?!?)

最初の頃はシマウマの1番になりたくてなれなくてドラにヤキモチ妬いてたくらいだ、最後だってシマウマに裏があるのを感じながら絶対に裏切りたくない大切な人だと思っていたはずだ。殺されはしないと思っていたからショックではあっただろうけど、シマウマを恨んだり憎んだりはしていないと思う。シマウマについて行くと決断してきたのはアカ自身だ。

 

一人では逝かせない。

とも、ドラはアカに言った。

 

アカがシマウマを連れて逝ったのか?

 

けれど、結果を見るとシマウマが己の死滅願望に回収屋を道連れにした様にも思えた。実際どうなのかなんてわからないけど。そういうふうにも取れる。

シマウマがアカに全く気持ちが無かったとは思いたくなかった。

 

穏やかに慈しむ形で愛情を表現できない愚か者達。

物哀しい。

 

ロクでもないやつらがロクでもない生き方しかできなくて、そして死んでいくのはしょうがない。許したく無いし許されてほしいとも思わない。長生きして幸せになって欲しいなんて微塵も思えないヤツらばっかりだ。

だけど、もう彼らの誰もが痛みや苦しみや悲しみや孤独から解放されていてほしいと心から願ってしまう。死が救いでありますように。もう寂しくありませんように。

 

 

 

最後に立っていたのはドラだった。

ドラは自分の名前を捨て回収屋のシマウマになった。

 

生き残っている事は幸せな事か??勝利だったのか???得たのは希望か????

話の中で散々描かれていたのは「残された側の地獄」だった。

ドラは仲間を守れなかった業、親殺しの業を背負い、死ぬことも幸せになる事も許されない。一人生き地獄を生きる。生き残って得た地獄と共に。

シマウマもアカも回収屋の面々も今はもうドラの中だけでしか生きていない。

 

ドラの人生の始まりだ。

ロクでもない主人公だった。それが可愛いくて愛おしかった。

痛みと共に苦しみながら生きてほしい。それでも生きててほしい。

シマウマや高城のような死に方を願わないでほしいとも思う。

 

 

 

 

ああ、本当に終わってしまった。

シマウマにハマってから買い始めたヤングキング、次号にシマウマは載ってない。

そう思ったら無性に寂しさがこみ上げてくる。

好きだったなぁ。本当に好きだったなぁ。なんでかわかんないけど癒される漫画だった。誰のことも絶対許さない、因果応報過激派の価値観に安心感があった。クズだろう愚か者だろうと気持ちを蔑ろにされない優しさがあった。性差や性別、セクシャリティーが曖昧に蕩けていて、それをいちいち説明しない当たり前の世界が心地よかった。

良いお話とは言えないし、酷くてどうしようも無いしロクでもないしストーリー展開や構成も無茶苦茶してたけど本当に好きだった。

回収されなかった設定や布石は深く考えてはいけない、そっと心の中にしまっとこう。

10年続けられて、実写映画化もした作品だ。それだけたくさんの人の心を掴んだんだろう。

本誌で11話一喜一憂しながら作品を追えたことはとても幸せな事だった。

毎話先が読めなくてハラハラしてたの楽しかった。

本誌発売日が毎回楽しみだった。

結末を全力で見届けることが出来て幸せだった。

そういう作品に出会えて幸せだった。

 

 

 

本当にありがとうございました。

そしてお疲れ様です。

 

 2020.2.27

 

 

 

 

シマウマ 22 (22巻) (YKコミックス)

シマウマ 22 (22巻) (YKコミックス)

  • 作者:小幡 文生
  • 発売日: 2020/04/27
  • メディア: コミック
 

 

 

 

シマウマ最終巻発売は427日!

bullで始まった新連載アンファミ1巻と同時発売!!!

先生は休む間も無く仕事している!!!

シマウマは終わっちゃて寂しいけど月一で先生の漫画が読めるのハッピー😊