しまうまのおたく blog

ヤングキング連載 小幡文生 著 漫画シマウマ の感想を書きます。ネタバレあります。

シマウマの感想 No.3 [chapter—03 シマウマ——]

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[chapter—03 シマウマ——]

わお!ブログ更新がうっかり1年近く時間が空いてしまいました。
わかりにくいなと思ってタイトルを通し番号にしました。
シマウマ登場回です。


『シマウマ』という題名の漫画で1巻のラストで漸く姿を現す謎多き男 シマウマ。
アカの登場は強烈なインパクトがあったのに満を持して登場の表題の男は強面ではありますが意外と地味なおじさんだなっと思いました。

 

 

アカによる美容師の回収。
ドラの回収の後にもう一件美容師の軽めな回収をしています。働き者ですね。
回収の内容が振られた腹いせ!?そんな理由でも回収しちゃうの?っと興味深いです。
回収の依頼主は被害者というわけではない。金さえ出せば復讐の実行犯として手を貸してくれるだけ、回収屋は正義感でも依頼主が被害者でもないし、回収相手が悪者や犯罪者ってわけでもない。
ただ生き地獄を味あわせるだけの簡単なお仕事。
アカは依頼主を小馬鹿にしているし、同情も共感もない。でも、行き場を失った痛み悲しみ辛み憎しみからの復讐心は決して否定していない。復讐心なんて愚かな感情だけど、それが芽生えてしまうのも人の心。それを否定されないだけで気持ちって随分楽になるものだと思います。後にシマウマも依頼者に向かって言ってますが「痛みを共有できる」ってそういう事なんだろうな。正しく無い事だけど辛い気持ちを和らげてくれるのが回収屋。そう思うと一方から見たら優しい存在に思えます。

 

 

 

シマウマによる女児暴行犯の回収。
痛ましい事件にもかかわらず犯人がきちんと裁かれずのうのうと生きてるなんてたまったもんじゃないな!!!やられた分やり返した!という回収にはスカっとします。ダークヒーローものだと弱者の為の復讐代行という題材が扱われたりします。それは残虐な行為でも弱者の為の復讐なら納得出来ると大多数の読者が感じるからです。復讐は良くない事だと道徳的に分かっていても物語の中でくらい思う存分やってしまって欲しいと感じることは有る事だと思います。それを満たしてくれるのがダークヒーローモノにはありますよね。
ただこの漫画はそんなダークヒーローモノでは全く無く、たまたまこの回収が人助けのように見えるだけ、そんな正義感はこれっぽっちもない漫画です。

 

 

 

 

 

 

 

ドラとアカの関係性変化。
回収を撤回させアカに言われるままに着いて行くドラ。
「運命だよね やっぱり……」

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シマウマ1巻189ページより


アカの言葉にドラは少しハッとして でも嫌な顔はせず、肯定的に聞き入れてるいるように思います。
これからの二人の関係性を読み解く上で重要なシーンです。
シマウマという男への興味はあれど、そう簡単にアカの事信じられるだろうか?中学の因縁をそのまま解釈すると いじめられっ子とその首謀者の関係が立場が逆転した状態です。罠かも知れないとは思わなかったのか。 半信半疑だがついていく価値はあると思ったのか、逃げられないのだからしゃーなしと流されるまま従ってただけなのか。それとも他に理由があるのか?二人の真意は汲み取れませんがいがみ合ってる様には見えません。


「いい?ドラ…このドアを開けたらもう後戻りはできないよ」
ドラに問うけれど そのアカの手は微かに震えてます。飄々と話しているようでアカも怖いのでしょう。ドラを裏社会へ招き入れる事が。ドラの人生を変えてしまうかもしれない事が。


事務所にシマウマは居らず回収の現場にてドラとシマウマは対面します。
“長く生きてはいけない人間” に対して“俺たち”と応えるシマウマがとても好きです。アカもとくに気にせず聞いています。彼等には正しく無い事をしている自覚があるのでしょう。


いきなり折檻され前歯を折られるアカ。
決してノーリスクでドラを招き入れた訳ではなく大きなリスクを負って回収屋に招き入れたのが分かります。 アカにとってその価値がドラにあったのです。
ドラはシマウマに自ら「ドラだ…」と名乗ります。因縁のあったアカとの中学時代のアダ名を回収屋の名前として名乗った事にアカも驚いています。
これはリスクを負って自分を招き入れたアカへのドラなりの敬意でしょうか?情かもしれないですけど何かしらアカへの気持ちがこもっているように感じました。

 

 


母親は自殺し、父親すらわからないドラ。
シマウマは自分の生い立ちと何か関係があるかもしれないという興味や好奇心も手伝って回収屋へと足を踏み入れます。断片的に描かれるドラの幼少期はどれも寂しげな記憶ばかり。どうしてそうなってしまったのか……知らないほうが幸せかもしれないですけどね。

 


「俺に嘘をつくな」
口癖のように言うシマウマですけど何か理由があるのか今のとこ分からないですけど、嘘つくな!って言うやつが大抵一番の大嘘つきじゃないですか???どうなのかしら? 
それはさておきシマウマという男。寡黙で謎が多い。何考えているのかわからない。趣味、趣向がうかがえないし何がしたくてこの仕事しているのだろう?地位や名誉は無いですし、やり甲斐?金になるから?でも、大きなお金が動いているのは分かるけど全く華美な格好はしてないし、浪費好きにも思えない。事務所だって小さくて簡素だ。反社会勢力のボスというより職人堅気な雰囲気がある。

回収屋は縦社会ではないのかな。怖そうな人がに見えるけどみんなシマウマと対等に話します。ていうかタメ口、ちゃん付けで呼ばれるけどそれを気にしてもいない。
気さくなタイプでもないのにみんなからの態度がなんかゆるい!!!空気がゆるい!!不思議!!!シマウマの事務机アカが散らかしたりするし!!!良いの!?威厳ありそうでないのかな??
ていうかシマウマって名前もなんなの?強面のおじさんが草食動物を名乗るの可愛くないですか?可愛い。シマウマがシマウマである物語の中での理由は外伝で語られますが、それは別として一般的にシマウマって強さや怖い印象より優しそうな印象の方が強い動物だと思いますので妙に気が抜けてしまう。シマウマのどの辺が縞馬なの?白と黒どっちも混ざらず存在するっていう物語のテーマ性に沿ったモノだとすると同列にパンダや牛やペンギン。え?!可愛いい。パンダは駄目だった?
シマウマじゃなくてパンダちゃんの可能性は無かったんでしょうかね?いや、強そうな白黒動物ならシャチやツキノワグマとかは?……言いにくいしわかりにくいか。シマウマが一番わかりやすいからシマウマ……かしらね。

ゼブラ柄って絵的に分かりやすく印象的になるのにゼブラ柄を全く身に付けたりしない所が安易なキャラ付けにならず良いなっと思います。

 

 

 


知的で品のあるOL風のメガネ美女。
回収屋の紅一点 キイヌちゃん登場いえーーーい!!!
眼鏡っ娘属性です!安心してください!!メガネは外しません外れません!!!美しい!!!最高!!!好き!!!!!

男の自分勝手なSEXじゃ満足できない身体に!?!?なんて凄まじい回収でしょうか!?!?どんなことされちゃったんだろうか?ペニバン携えてセクシーな格好をしているキイヌ様のテクニックが気になりますね。女を骨抜きにする魔性の女。
キイヌ様のお顔踏み付けプレイはヒールの方で強烈です。アカがドラの顔を踏み付けた時はミュールの平だった事を思うとキイヌのほうが非道な気がします。
NTR見せつけプレイも大変性癖に刺さる……いや何でもないです。


スタンガン取り上げ今度はドラがキイヌをレイプ。
セックスの効果音ザップザップって……波の音みたいな感じだろうか?ザップザップ。
ムカついた女をアナル生ハメレイプの口内発射。あんま主人公のやることじゃないな!!!最低のクソ野郎だな!!!!!!!と、とても好感度が上がります。(個人の感想です) 最低!!!最低であればあるほど愉快で楽しくて面白いです。笑っちまう。

「てめぇは女でも男でもいいのかよ!」なんて言われてますが性別溶けてるなって感じることはとても多いです。何たって女垂らし込むのNo.1はキイヌだし……もうみんな、どっちでもいいんだろうな?それでいいんじゃ無いかな。性別が良くも悪くもフラットに扱われている事が居心地良いなと思います。“悪くも”なんですけどね。

 


折檻され前歯吹っ飛ばされたのに“前歯だけで済んだ!ラッキー!”って感じかな?ルンルンでやってくるアカと、組み敷きレイプし屈服させたつもりだったキイヌは しれっとやってくるどころかスケベのおねだり、はたまた依頼金値切られそうになったシマウマはガラスコップを噛み砕き自ら血みどろに。回収屋の愉快な面々はどうなっているのでしょうか??? 被虐も加虐も、相手に容赦ないだけでなく自分にも容赦が無い、スリルも痛みも楽しんでるかの様で一筋縄ではいかない人たちの集まりです。ドラが随分マトモに見えますけど……まぁ同じ穴の貉なんでしょう。

 

 


『シマウマ』はキャラクターの行動も言動もかなり曖昧に描かれていてその解釈は読み手に委ねられています。それに後から起きる事や言動で前に起きたことの解釈が真逆くらい変わってしまうことが多々あります。今こうして感想を書いている間にも連載は進み解釈は変化していってます。
私個人の解釈と考察と今の気持ちを綴っているだけで絶対的なものではなく移ろうものとしてこのブログも読んで頂けたらいいなと思います。
私も人様の自分とは違った解釈や感想が読みたいのです。
人の感想が読みたいからまずは自分から書くそんなブログです。

2019.10.8

 

 

 

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