しまうまのおたく blog

ヤングキング連載 小幡文生 著 漫画シマウマ の感想を書きます。ネタバレあります。

シマウマの感想 No.1 [1巻 chapter01 タツオ—]

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私 個人の感想と考えです。感じ方は人それぞれだと思いますので合わないなと思ったら閉じてください!!!

細かすぎることや どうでもいい事や 深読みしすぎてること雑多に書きます。1巻お手に取りながらでも読んでいただけたら幸いです。

 

シマウマ(1) (ヤングキングコミックス)

 

シマウマ1巻 [chapter01 タツオ---]

 

7月26日の夏の夜、物語は始まります。

 

出オチに強烈でアッパーな印象を残していくアカと愉快なハリネズミマンの回収風景は、アルマジロだっけ?ハリネズミだっけ?などとどうでも良い過ぎる発言に笑い事じゃあないのに笑ってしまいます。元気いいね。

 

悪さしてズル賢く生きてきた主人公ドラが裏の世界へ引きずり込まれていきます。

読み手もドラと共に現実から物語の世界へと引き込む感じがして1話目の掴みがめちゃくちゃ面白いです!!!キャッチーでテンポ良く不思議と爽快!!!何てったってドラは自業自得で因果応報の報いを受けて堕ちていく、対するヤクザのオジさんも悪い人だし、善良な一般人が巻き込まれて居なく話が進むのでかわいそうとは思えません。主人公を追う強烈なヤツがとにかく気になります。あいつは何者で何をしでかすんだ!?酷いことが起きているにも関わらず冒頭からワクワク心踊ってしまうから不思議です。

 

 

 

結婚相談所の詐欺のお話。

ドラの偽名は”シュウサク” です。別に重要なことじゃないですけど、担当編集者の戸田秀作さんから拝借されてるのかな~と思ってます。戸田さん現在はヤンキンBullの編集長さんですね。Bullにはシマウマ外伝の連載もあるので要チェックです!

 

 

 

ドラは悪さしてるクズでヤクザのオジさんにだって容赦無く指を一本ずつポッキポキ折ってく残忍なヤツなんだけど、彩ちゃんがピンチかもしれない!!って逃げないで探しにいくとこ、ああ仲間想いのヤツなんだな~頑張れ~と思えます。

 

 

 

そして来たぞ来たぞ!!!

デデーン!!!とミュールキックでアカ様参上!!!タイミングが良すぎ!!!!!!!彩ちゃんかと思ったらアカでした!ドッキリ大成功!!!だけどもし、ドラが来なかった場合やタイミング合わなかった時の空振り考えたらアカと下っ端達滑稽で面白すぎますね。彩ちゃんのワンピース引っぺがして着て囚われの女の子ごっこするアカ。別にドラ来なくてもアカだけは楽しいんじゃないでしょうかこれ。きっと楽しいね!?!下っ端たちご苦労様!!!!アカさんお仕事楽しそうで何よりです!!!!!!それと、彩ちゃんのワンピースとミュール履けちゃうんだ!?成人男性が女性物を身に着けるって骨格的に難しいと思うけどイケちゃうんだ!?彩ちゃんが大柄かアカが華奢なのかな!?!

 

カラオケボックスでよくわからないタブレット状のモノ貪りながらふわふわ拷問鑑賞されてるアカさんだけど……お着替えされないのですね?ドラ引っ掛ける為じゃなかったのでしょうか?そのままの格好なんですね!?!?ハイヒールのミュール歩きづらくないですか?ソレ趣味ですよね!?いいですけどね!!!愉快だから!!!

 

『男は殴って…女は犯す…』『普通~~じゃぁぁん つまんな~~い!』

とおっしゃられていますけど、あ~~~それだと不公平だもんね~~~???女も殴って男も犯さないと?平等に?!?“シマウマ”のそういう容赦無いところがすごく好きです。いい意味でも悪い意味でも性別とか関係ねー!!!っていう心意気とても好きです。

 

 

アカがドラの顔面踏みつけるところご褒美すぎませんか???ちょっと羨ましいです。ヒールじゃなくて平で踏むところに少しばかり優しさ感じてしまいました。それとドラの位置からアカのスカートの中見えるベストポジションですね。見た??  アカのイチモツの主張によりスカートが持ち上がってしまうけどパンツ履いてなくない??履いてる?????パンツ描かれていないので永遠にファンタジーだと思います。

 

 

 

 

 

 

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シマウマ1巻84pより

追い詰められもう殺されるかもしれないドラが母が亡くなった時のことを思い出しながら少し優しい目をする。

少し不思議な表情に思います。ドラの心理描写は言語表現されてないので想像するしかないですけれど、ドラはずっと自分が生きてる意味が見出せずにいて、母に対して一緒に連れて行って欲しい気持ちもあったんだろうか……。死に対して全く恐れがないわけではないけど、どこか生きてることから解放されるような安堵も感じてあの表情だったのかもしれない。母に近付けるようなそんな気持ち。そう思うとドラの人生はなんだかもの悲しいです。

 

 

 

 

 

ドラの『殺してみろよ』に対して『ハイ喜んで♡』と返すアカ。

まるでプロポーズみたいにロマンチック?な気がしますね?この世界で『殺す』『殺して』って誓いの言葉のようだと思いますのでプロポーズという表現は間違っていなと思います(個人の感想です)酷い話なのにふわっと空気が和むような表現がいつも差し込まれていて深刻にならないところが読みやすいと思います。

 

 

シマウマ全編、全キャラクターに言えますけど死と隣合わせで漸く生きていることを感じられ、生きていることが当たり前だなんて思えたことのない人たちばかりです。生きていて良い理由が見つからなくて、死んでもいい理由さえあればいつでも死ねてしまえると考えていそう。だから人にも自分にも容赦無いのかな。だからこそ、殺さないで生き地獄を与える、ってことがこの漫画では重要になってくるのでしょう。彼らにとって自分の死ってそれほど恐ろしいことではないから。

 

 

 

 

冒頭のここが面白くないという人はこの漫画には合わないと思うから読むのをやめた方がいいです。始まりがもっともわかりやすくて面白い部分です。惨忍なキャラクターの奇抜さを全面に出しながらテンポが良くてサクっと読めます。『絶対に読んではいけない漫画』だなんて大袈裟な売り文句だと思いますけど、1巻が無理とか面白いと思えない人は続きは絶対に読まない方がいいとは本当に思います。それに話が進むほどに読み手をふるいにかけていく漫画です。わかるヤツはわかってくれたら良い、無理にわかってほしいとは思わない。そう言わんばかりに言語説明が少ないのに細かい関係性の変化を描いていますし、エグイというより引くわ~っていう性癖や愚かなキャラクター達が話をして引っ張っていきます。どうしようもないクズ達がこの漫画の中心です。

回想と現実の時間軸が入り乱れるネタバレ感ある描き方も感情の変化を順をおって読むのが得意な人には読みにくいかもしれないです。結果→過程(回想)→結論 の順で描いてあるので 状況把握できてからの方が感情が湧きやすいタイプは読みやすいと感じるんじゃないでしょうか?人それぞれだと思いますけど。

 

 

 

私は映画から入ってしまったために映画の解釈に引っ張られてしまい原作の解釈をしっかり理解するのにちょっと時間がかかってしまいました。もしかしたらそういう方が他にもいらっしゃるかもしれないので書いておきます。すっげぇミスリードされました。

原作はドラの心理描写ほぼなしで、起きた物事や事件の情景描写だけで描かれてて表面的にドラは嫌な悪いやつに見えるけれど、その本心がすっかりぼかされて描かれていません。これを映画はわかりやすく悪人として表現してたと思うんですけれど、原作の方はその描かれていないドラの心情は微かな表情変化を追ってみると表面的な悪人とはちょっと違うような気がしてきます。クズで悪いやつには変わりないんですけど、話が進むごとに少しずつドラの人間性が見えてくると悪人にしか見えてなかった部分が強がったりカッコつけたり見栄貼ってただけだったり言葉足らずで誤解や すれ違いを生んでいたのかな?と見えたり、曖昧に描かれた部分の解釈が変化していきます。

描いてないことは読み手が補完して読み進めるものですけど、後から起きた出来事によって曖昧なシーンが最初読んだときと真逆ぐらい印象が変わってとっても驚きます。そんな仕掛けがされてると思わず、酷い話を面白おかしく楽しんでいたら足元すくわれて心にグサっと。……そこから気づけばキャラクターたちの人生を考えながら読むようになっていました。曖昧な表現は意図的なもので、見えないように描かれていたキャラクターの本心が見えはじめると不器用で人間らしく共感を持って読めてきます。些細な表情変化を読みこぼしてしまうと もう何がなんだかよくワカンねぇ話になってしまうので、そういう点も注視して読んで欲しい漫画だと思っています。

憎しみのような愛情。悪意に見える優しさ。嫌悪のような好意。そして苦痛は快楽へ。

相反するものが混ざらず両立していることはこの漫画のテーマの一つだと思います。題名となっている動物のボディーカラーのような白も黒もどっちも混ざらず存在するという。

 

月並みな表現しかできずに悔しいんですが、これはすごい話だ!!!と思ってそれを誰かに伝えたり共感したくてこのブログを始めました。

今後もまだまだ追って感想書き続けますのでお付き合い頂けたら幸いです。

 

 

chapter02に続く。

 

 

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